生活習慣とは主に食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒を指し、これらのバランスが崩れることで健康に悪影響が生じます。
生活習慣病は主に生活習慣の変化によって発症する病気で、2型糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧症、一部の悪性腫瘍、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)、高尿酸血症、肥満症、脳血管障害(脳卒中)などが含まれます。
特に2型糖尿病、脂質異常症、高血圧症は初期では自覚症状がない場合が多いですが、動脈硬化を進展させ、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクを上昇させます。
治療の基本は生活習慣の改善、食事療法と運動療法が重要で、薬物療法が必要となる場合があります。
原因やご年齢、併存疾患、生活スタイルなど総合的に見た上で治療を考えていきます。
動脈硬化のリスクが高い場合は、頸動脈超音波検査や血圧脈波(ABI)で血管の状態を確認します。
▶︎ 糖尿病(主に2型糖尿病)
食物に含まれる炭水化物はブドウ糖となり、膵臓から分泌されるインスリンによって必要な細胞にエネルギーとして供給されます。
インスリンの効きが悪くなったり、分泌が低下することで細胞への糖分の供給ができなくなり、血管内での糖分が高くなり、糖尿病となり、動脈硬化が進みます。
診断基準
血糖値のいずれか1つを含む基準を2回満たす場合
①空腹時血糖値 ≧ 126 mg/dL
②ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2時間後血糖値 ≧ 200 mg/dL
③随時血糖 ≧ 200mf/dL
④HbA1c ≧ 6.5%
*血糖値の基準を満たし、高血糖症状(口渇・多飲・多尿・体重減少)や糖尿病網膜症がある場合も確定診断となります
75gOGTT検査(砂糖の入ったソーダを飲んでいただき、採血で血糖値、インスリン値をみます)で血糖変動の状態を見る場合があります。
食事・運動療法を主にしながら、内服、注射(インスリン、GLP-1受容体作動薬等)での治療を行っております。
血糖コントロール指標のHbA1cは当日約7分で結果がわかります。
注射での治療中の方の血糖測定は指先での測定もしくはリブレ2の使用が可能です。
眼科・歯科の定期受診もおすすめしております。当院からのご紹介も可能です。
▶︎高血圧症
診断基準
家庭血圧 ≧ 135 /85 mmHg
診察室血圧 ≧ 140 /90 mmHg
冬季のみ血圧が高い方の場合は冬季のみ降圧剤の内服が必要となる場合もあります。
診察室での血圧のみが高くなる白衣高血圧、その逆の診察室では正常血圧となる仮面高血圧の場合もあり、診察室だけでなく家庭での血圧測定も大切です。
▶︎脂質異常症(高脂血症)
診断基準
LDL(悪玉)コレステロール ≧ 140mg/dL
中性脂肪 ≧ 150mg/dL(空腹時)
中性脂肪 ≧ 175m mg/dL(食後)
HDL(善玉)コレステロール ≦ 40mg/dL
non-HDLコレステロール ≧ 170 mg/dL
性別、年齢、合併症、喫煙歴、家族歴などを踏まえて治療目標を決めていきます。
虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)・糖尿病・慢性腎臓病・脳梗塞・家族性高コレステロール血症などのリスクの高い方は治療目標値が上記より低くなります。
閉経後の方や、遺伝的にコレステロールが高い方は早めに薬物療法が必要となる場合があります。
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